サワラの生垣|和風の針葉樹の特徴と刈り込みのコツ

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『うちの生垣、ヒノキだと思っていたらサワラだった』という話、意外とよく聞きます。

見た目がよく似ているので、名前があいまいなまま育てている方も多いですよね。

結論から言うと、サワラの生垣は、刈り込みに耐える和風の針葉樹の生垣です。ただし、葉のない古い枝まで深く切ると芽が出にくいので、伸びた先を軽く整えるのが手入れのコツです。

この記事を読むと、サワラの見分け方、品種の違い、刈り込みで失敗しないための線引きが分かります。

目次

サワラの生垣ってどんな木?

先に結論

サワラ(椹)は、ヒノキ科の常緑針葉樹です。ヒノキによく似ていて、刈り込みに耐えるので、和風の生垣に使われてきました。

生垣(いけがき)は、木を列に植えて刈り込みで仕立てた垣根のことです。生垣の基本は生垣とは?読み方・塀との違いと役割で紹介しています。

サワラは一年中緑を保つ常緑樹なので、冬も仕切りや目隠しの役目を果たしてくれます。細かい葉が重なり合うので、和の庭にしっとりなじむんです。

くらべる点サワラの生垣でのよさ気をつけたいこと
冬常緑で、冬も緑が残る冬も葉があるぶん、内側の風通しに気を配る
刈り込み刈り込みに耐える古い枝まで深く切ると芽が出にくい
雰囲気和風の庭になじむ洋風の家では品種選びで印象を調整したい
品種糸状の葉や黄色い葉など見た目を選べる品種で育ち方の印象が変わる

刈り込み(伸びた枝先を面にそろえて切ること)に耐える木ですが、「どこまで切ってよいか」に線があります。これは後ほど詳しく紹介しますね。

ヒノキとの見分け方は「葉の裏の白い模様」

『ヒノキとサワラ、正直どっちか分からない』という方は、葉の裏を見てみてください。

葉の裏には白い模様(気孔帯)があります。この模様の形で見分けられるんです。

サワラ
  • 葉の裏の白い模様がX字形
  • ヒノキ科の常緑針葉樹
  • 刈り込みに耐え、生垣に使われる
ヒノキ
  • 葉の裏の白い模様がY字形
  • 本来は大きくなる高木
  • 生垣にするならこまめな刈り込みが必要
サワラとヒノキの葉の裏の白い模様の違いを、X字形とY字形で示した図解

ヒノキの生垣はヒノキの生垣|特徴と刈り込みで気をつけることで紹介しています。

ヒヨクヒバやオウゴンシノブヒバは何が違う?

先に結論

サワラには、糸状に垂れる葉のヒヨクヒバ(イトヒバ)や、黄色い細かい葉のオウゴンシノブヒバなどの園芸品種があります。庭の雰囲気に合わせて選べるのが、サワラの楽しいところです。

庭木では、サワラの園芸品種が「〜ヒバ」という名前で呼ばれていることがあります。『ヒバって書いてあったのに、サワラの仲間なの?』と驚く方もいますよね。

品種葉の特徴生垣にした時の印象
ヒヨクヒバ(イトヒバ)糸状に垂れる葉やわらかく、しだれた雰囲気
オウゴンシノブヒバ黄色い細かい葉明るく、庭のアクセントになる

例えば、緑の生垣の一部にオウゴンシノブヒバを入れると、門まわりだけ明るく見せることができます。黄色い葉の木を選びたい方は黄色い生垣|黄金葉・黄色い花の木の選び方もどうぞ。

「〜ヒバ」と呼ばれる庭木の全体像はヒバの生垣|和風の針葉樹の特徴と手入れで紹介しています。

向く場所・向かない場所の判断表

先に結論

サワラの生垣は、冬も緑を保ちたい和風の庭の境界に向きます。手の届く高さで毎年整えられるかどうかが、長く付き合えるかの分かれ目です。

植えたい場所、あるいは今ある生垣の場所を、次の表に当てはめてみてください。

場所の条件向き不向き考え方
和風の庭の境界向く細かい葉が和の庭になじむ
冬も目隠しがほしい場所向く常緑で冬も葉が残る
毎年手入れできる長さの生垣向く伸びた先を軽く整え続けられる
何年も手入れできない場所向きにくい伸びてから深く切ると芽が出にくい
風通しの悪い狭い場所条件しだい内側の葉が茶色くなりやすい

例えばこんな場面なら

例えば「道路に面した10mほどの生垣がある2階建ての家の場合」なら、サワラの生垣は冬も道路からの視線をやわらげてくれます。道路側に張り出した枝は、所有者が手入れするよう多くの自治体が呼びかけているので、毎年整えておきましょう。

例えば「隣家とのすき間が狭い場所」なら、風が通りにくく、内側の葉が茶色くなりやすいことがあります。生垣の幅を広げすぎず、内側の枯れ枝を取って風を通すことを意識してみてください。

針葉樹の生垣をほかの木とも比べたい方は針葉樹の生垣|マキ類・コニファーの特徴と選び方で紹介しています。

刈り込みのコツ:「葉のある所まで」が線引き

先に結論

サワラの刈り込みは、葉がついている部分の中で、伸びた先をそろえるのが基本です。葉のない古い枝まで深く切ると、そこから芽が出にくく、穴があいたままになりやすいです。

ここが、サワラの生垣でいちばん大事なところです。

刈り込みに強い広葉樹の感覚で『思い切って短くしよう』とすると、針葉樹では戻らないことがあります。針葉樹の多くは、葉のない古い枝まで深く切ると芽が出にくいと一般に説明されているんです。

サワラの刈り込みで、葉のある部分で切ればよく、葉のない古い枝まで切ると芽が出にくいことを示した図解

刈り込みの手順

サワラの刈り込みの進め方
  1. 仕上げたい高さと幅を決め、目印のひもを張る
  2. 側面は、上を少し狭く・下を広くした台形に刈る
  3. 葉が残る深さまでにとどめ、伸びた先をそろえる
  4. 天端(いちばん上の面)を手の届く高さでそろえる
  5. 内側の枯れ枝を取り、風が通るようにする

上を狭く下を広くした台形にすると、下の葉まで日が当たりやすいと一般に説明されています。下の葉が残っていると、足元がすかすかになるのを防ぎやすくなります。

よくある失敗

何年も手入れしないまま大きくなった生垣を、一度にひと回り小さくしようと深く刈り込み、茶色い枝がむき出しになった、というのはよくある失敗です。サワラは毎年少しずつ、葉のある所で整えるのが長持ちのコツです。

毎年の手入れは「少しずつ」が合言葉

サワラは、一度に大きく形を変えるのが苦手な木です。だからこそ、毎年同じ流れで少しずつ整えていくのがいちばんの近道なんです。

手入れやること気をつけること
伸びた先の刈り込み葉のある所で先をそろえる前の年より深く切りすぎない
枯れ枝の見回り内側の枯れ枝を付け根から取る一度に取りすぎない
道路・隣地側の確認はみ出した枝を整える葉のない所まで切り込まない
足元の掃除刈った葉や落ち葉を片づける足元の風通しを保つ

刈り込みの時期は、地域や木の様子でも変わります。迷う時は、購入先や植木の業者に確かめておくと安心です。

剪定の時期や回数を生垣全体で知りたい方は生垣の剪定|時期・回数と刈り込みのやり方も参考にしてみてください。

よくある相談:枯れ枝は切る?下を透かしたら丸見えに

先に結論

サワラの生垣の相談は、「枯れた枝は切るべきか」「下の枝を切ったら丸見えになった」「伸びすぎたので植え替えたい」といったものが多いです。

ここでは、知恵袋で多く読まれている相談を、内容を要約して紹介します。

相談1:サワラの生垣の枯れた枝は、切ったほうがいい?

生垣の中に枯れた枝があるけれど、切ったほうが木のためになるのか分からない、という相談です。

『枯れていても、切ったら余計にすかすかになりそう』と迷いますよね。

結論から言うと、枯れた枝は付け根から取って、内側に風を通すのが基本です。枯れ枝が残っていると、風通しが悪くなり、まわりの葉も茶色くなりやすくなります。

枯れ枝を取る時のポイント
  • 葉がまったく無い枝は、付け根から取る
  • 茶色い葉と緑の葉が混ざる枝は、緑の葉を残して切る
  • 取った後にすき間が目立つ所は、まわりの枝の伸びを待つ
  • 一度に取りすぎて、内側が丸見えにならないようにする

相談2:中が枯れたので下の枝を切ったら、道路から丸見えになった

伸び放題で中が枯れてきたので、下の方の脇枝を切ったら、風通しはよくなったけれど道路から丸見えになってしまった、という相談です。

『よかれと思ってやったのに…』と落ち込んでしまいますよね。

針葉樹は、葉のない古い枝からは芽が出にくいので、切った下の部分がすぐに元どおりになるとは考えにくいです。目隠しを取り戻したいなら、足元にほかの木を植える、フェンスを足すなど、別の方法も考えてみてください。

丸見えになった足元を隠す方法
  • 生垣の足元に、日陰にも耐える低い常緑の木を植える
  • 道路側にフェンスを立てて、生垣と役目を分ける
  • 上の方の枝は、葉のある所で軽く整えるだけにして残す
  • 次からは、下の枝を一度に切りすぎないようにする

相談3:長年のサワラの生垣が高くなりすぎて、手入れしやすい木に植え替えたい

長く育ったサワラの生垣が背の高さを超えて伸び、剪定が難しくなったので、手入れのしやすい木に植え替えたい、という相談です。

『今さら低くできないなら、いっそ植え替えたほうが…』と考えるのは自然です。深く切ると芽が出にくいサワラの場合、植え替えはひとつの選択肢になります。

撤去や抜根を伴う作業は、力も道具も必要です。植え替えの考え方は生垣の撤去・植え替え|抜根の考え方と頼み方で紹介しています。

相談4:家のまわりの杉のような木の生垣、何の木で、どう手入れする?

家のまわりに目隠しで植えてある、杉のような細かい葉の生垣について、何の木なのか、どう手入れすればいいのか知りたい、という相談です。

『そもそも木の名前が分からないと、手入れの調べようがない』という方も多いはずです。細かい葉の針葉樹の生垣は、次のような点を見ると候補が絞れます。

見るところ考えられる木
葉の裏の白い模様がX字形サワラ
葉の裏の白い模様がY字形ヒノキ
葉が手のひらを立てたように縦向きに並ぶコノテガシワ
枝葉が密で、成長がゆっくりチャボヒバなどのヒバ類

どの木であっても、ヒノキ科の針葉樹なら、古い枝まで深く切ると芽が出にくいのは共通です。名前が分からないうちは、葉のある所で伸びた先を軽く整える程度にとどめておきましょう。

高くなりすぎた時と、業者に頼む時の考え方

先に結論

手の届かない高さまで伸びたサワラの生垣は、脚立の上での作業になり、転落の危険があります。無理をせず、剪定や植え替えを業者に相談するのも手です。

高い所の刈り込みは、脚立からの転落の危険があります。手の届く高さまでを自分で整え、それより上は業者に頼む、と線を引いておきましょう。

電動バリカン(ヘッジトリマー)を使う時は、取扱説明書に従い、手袋と保護めがねを使ってください。

業者に伝えておくとよいこと
  • 生垣の木がサワラ(またはヒノキの仲間)であること
  • どのくらいの高さ・幅に整えたいか
  • 内側が枯れている部分があるか
  • 植え替えや抜根も考えているか

業者に頼む流れは生垣の剪定を業者に頼む|依頼の流れと見積もりで見ることで紹介しています。

生垣が高くなって手に負えない時や、長い生垣の刈り込みが大変な時は、剪定をまとめて相談できる窓口もあります。

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よくある質問

サワラとヒノキの生垣はどう見分けますか?

葉の裏の白い模様(気孔帯)で見分けられます。サワラはX字形、ヒノキはY字形です。

サワラの生垣を短く切り詰めても大丈夫ですか?

葉のない古い枝まで深く切ると、芽が出にくくなります。葉が残る深さまでにとどめ、毎年少しずつ整えましょう。

生垣にサワラを選ぶと、冬も緑が残りますか?

サワラは常緑の針葉樹なので、冬も葉が残ります。

サワラの生垣の内側が茶色くなるのはなぜですか?

風通しが悪いと、内側の葉が茶色くなりやすいと言われます。内側の枯れ枝を取り、風が通るようにしてみてください。

まとめ

この記事の要点
  • サワラの生垣は、ヒノキ科の常緑針葉樹で、和風の庭になじむ
  • ヒノキとは葉の裏の白い模様(X字形とY字形)で見分けられる
  • ヒヨクヒバやオウゴンシノブヒバなど、品種で見た目を選べる
  • 葉のない古い枝まで深く切ると芽が出にくいので、葉のある所で整える
  • 高くなりすぎた時は、無理をせず業者への相談や植え替えも考える
生垣ドットコム

生垣ドットコム 編集部

生垣(いけがき)の意味・役割から、目的別の木の選び方、トキワマンサク・マサキ・イヌマキなど樹種ごとの特徴、剪定の時期とやり方、植え方・費用・助成金の考え方までを、庭や道路沿いで迷わないように整理している情報サイトです。 公式サイト

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