イチイの生垣|寒さに強い針葉樹の特徴と育て方

寒さに強い針葉樹であるイチイの生垣の特徴と育て方を解説する記事のアイキャッチ

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『寒い地域でも元気に育つ生垣にしたい』『実家のイチイの生垣、どう手入れすればいい?』と気になっている方も多いですよね。

結論から言うと、イチイの生垣は、寒さに強く、成長がゆっくりで刈り込みにも強い、形を保ちやすい針葉樹の生垣です。ただ、秋の赤い実の中の種子や葉には毒があるので、子どもやペットへの気配りは欠かせません。

この記事を読むと、イチイの特徴と手入れの流れ、向く場所の見分け方が分かります。

目次

イチイの生垣ってどんな木?

先に結論

イチイ(一位)は、イチイ科の常緑針葉樹です。寒さに強く、北海道や東北ではオンコ、アララギとも呼ばれ、生垣によく使われています。成長はゆっくりで刈り込みに強く、日陰にも比較的耐えます。

生垣(いけがき)は、木を列に植えて刈り込みで仕立てた垣根のことです。生垣の基本は生垣とは?読み方・塀との違いと役割で紹介しています。

『オンコの生垣って、イチイのこと?』と思った方もいるかもしれません。そうなんです、地域によって呼び名が違うだけで、同じ木を指しています。

秋に赤い実がついたイチイの生垣を近くから写した写真

生垣にした時のよさと、気をつけたいこと

くらべる点イチイの生垣でのよさ気をつけたいこと
寒さ寒さに強い植えた直後は根づくまで水やりが要る
育ち方成長がゆっくりで形を保ちやすい密になるまで時間がかかる
刈り込み刈り込みに強い古い枝まで深く切りすぎない
日当たり日陰にも比較的耐える暗すぎる場所は様子を見る
実秋に赤い実がなる種子や葉に毒があるので口に入れない

刈り込み(伸びた枝先を面にそろえて切ること)に強いので、四角く整えた和風の生垣にも、丸みを持たせた形にもできますよ。

「ゆっくり育つ」はよさでもあり、待つ時間でもある

成長がゆっくりな木は、一度形を作ると崩れにくいのがよいところです。毎年の刈り込みも、伸びた分を整えるだけで済みやすくなります。

その反面、小さな苗から植えると、生垣として密になるまでに時間がかかります。『早く目隠しにしたい』という方は、苗の大きさを購入先や施工業者に相談しておきましょう。

背の低いキャラボクも仲間

イチイには、背の低い変種のキャラボクがあります。

腰より低い生垣や花壇の縁取りにしたいならキャラボク、境界の目隠しにしたいならイチイ、という選び方がしやすいです。

赤い実と毒のこと:子どもやペットがいる家の気配り

先に結論

イチイは秋に赤い実(果肉に見える部分)がなりますが、中の種子や葉には毒があります。実や葉は口に入れず、小さな子どもやペットがいる家では、実の時期に気を配っておきましょう。

ここは、イチイの生垣でいちばん知っておきたいところです。

『赤くてかわいい実だから、子どもが触りたがりそう』と心配になりますよね。怖がりすぎる必要はありませんが、知っておくだけで防げることがあります。

実の時期に気をつけたいこと

イチイの種子や葉には毒があります。実や葉を口に入れないこと、子どもやペットが口にしないよう気を配ることが大切です。ペットが口にしてしまった時は、早めに動物病院へ相談してください。

子どもやペットがいる家でできること
  • 実の時期は、落ちた実をこまめに拾って片づける
  • 子どもには「この実は食べない」と伝えておく
  • ペットが生垣の足元で遊ぶ場所なら、実の時期は見守る
  • 刈った枝葉も、ペットが届かない場所で片づける

例えば、家族で「赤い実は見るだけ」と決めておくだけでも、安心感が変わります。小さな子には『きれいだけど、食べちゃだめな実だよ』と、やわらかく伝えてみてください。

イチイの生垣が向く場所・向かない場所

先に結論

イチイの生垣は、寒さの厳しい地域や、日陰になりがちな場所の境界に向きます。早く目隠しにしたい場所や、子どもやペットが実に触れやすい場所では、ほかの木も比べておきましょう。

植える場所が合っていると、イチイのよさがいちばん生きます。植えたい場所を、次の表に当てはめてみてください。

場所の条件向き不向き考え方
冬の寒さが厳しい地域向く寒さに強く、寒い地域で生垣に多い
建物の陰になりやすい境界向く日陰にも比較的耐える
和風の庭の仕切り向く刈り込みで整った形を作れる
すぐに目隠しにしたい場所向きにくい成長がゆっくりで、密になるまで時間がかかる
子どもやペットがよく遊ぶ足元注意が必要実の時期は気を配る
隣地との境界ぎりぎり条件しだい少し内側に植え、両側から刈れるようにする

例えばこんな場面なら

例えば「冬に冷え込む地域で、和風の家の境界に一年中緑を残したい場合」なら、イチイの生垣はよく合います。成長がゆっくりなので、刈り込みの手間も抑えやすいですよ。

例えば「北側の境界で、日当たりがあまりよくない場合」も、日陰に比較的耐えるイチイは候補になります。日陰に向くほかの木は日陰の生垣|日当たりが悪い場所に向く木で紹介しています。

イヌマキと迷っている時は

和風の針葉樹の生垣では、イヌマキもよく比べられます。

くらべる点イチイイヌマキ
仲間イチイ科の常緑針葉樹マキ科の常緑針葉樹
得意な地域寒さに強く、寒い地域で多い潮風に強く、温暖な沿岸部で多い
育ち方成長がゆっくり成長はゆっくりめ
刈り込み刈り込みに強い刈り込みに強い
実秋に赤い実。種子や葉に毒がある雌株は秋に実をつける。種子は食べない

寒い地域ならイチイ、暖かい海沿いならイヌマキ、と住んでいる地域から考えると選びやすいです。イヌマキはイヌマキの生垣|和風の定番の特徴と刈り込みのコツで紹介しています。

ほかの木とも比べてから決めたい時は

『イチイがよさそうだけど、ほかの木も見てから決めたい』という方も多いはずです。迷った時は、何を優先したいかを先に書き出してみてください。

寒さへの強さを優先するならイチイ、花も楽しみたいなら花木、早く目隠しにしたいなら成長の早い木、というように、優先順位で候補が絞れます。目的別の選び方は生垣におすすめの木|目的別の選び方と樹種の早見表で紹介しています。

1年の見回りカレンダーと刈り込みのコツ

先に結論

イチイの生垣は、「伸びた先を整える」「秋の実に気を配る」「高さを守る」を1年を通して続けるのが手入れの中心です。刈り込みに向く時期は地域で違うので、購入先や植木の業者に確かめておきましょう。

月の目安は地域や年で前後します。季節ごとに見ておきたいことを、次の表にまとめました。

イチイの生垣の1年の見回りを、春の植え付け、伸びた先を整える時期、秋の赤い実への気配り、冬の見回りに分けたカレンダーの図解
季節木の様子やること
春新芽が動き始める植え付けに向く時期の一つ。支柱を確かめる
春〜夏枝先が伸びる伸びた先を軽く整える(時期は地域で確認)
秋赤い実がなる落ちた実を片づけ、子どもやペットに気を配る
秋気温が穏やかになる植え付けに向く時期の一つ
冬常緑で葉が残る枯れ枝や傾きを見ておく

植え付けは、常緑の木なら春の新芽が動く前後や、秋の気温が穏やかな時期が向くと一般に言われています。

刈り込みの手順

イチイの生垣の刈り込みの進め方
  1. 仕上げたい高さと幅を決め、目印のひもを張る
  2. 葉のある部分の中で、伸びた先を切りそろえる
  3. 側面は、上を少し狭く・下を広くした台形に整える
  4. 内側の枯れ枝を取り、風を通す
  5. 刈った枝葉を、ペットが届かない場所で片づける

上を狭く下を広くした台形にすると、下の葉まで日が当たりやすいと一般に説明されています。

針葉樹の多くは、葉のない古い枝まで深く切ると芽が出にくいとも言われます。イチイは刈り込みに強い木ですが、一度に深く切り詰めるより、毎年少しずつ整える方が安心です。

剪定の時期や回数を生垣全体で知りたい方は生垣の剪定|時期・回数と刈り込みのやり方も参考にしてみてください。

よくある相談:作り方は?強く切られた?ペットが実を食べる?

先に結論

イチイの生垣でよく出る相談は、「生垣の作り方」「強く切られて枝だけになった」「ペットが実を食べてしまう」の3つです。

ここでは、知恵袋で多く読まれている相談を、内容を要約して紹介します。

相談1:イチイで、目隠しと塀の代わりになる生垣を作りたい

イチイの生垣を、目隠しと塀の代わりに作りたいので作り方を知りたい、という相談です。

『自分でもできる?』と思いますよね。流れとしては、次のように進めます。

イチイの生垣を作る流れ
  1. 仕上げたい高さと、植える列の位置を決める
  2. 苗の大きさと間隔を、購入先や施工業者に相談する
  3. 植え付けに向く時期に、列にそろえて植える
  4. 竹などで列をつなぐように支柱を立てる
  5. 根づくまで水やりを続け、伸びた先を少しずつ整える

苗の間隔は、樹種・苗の大きさ・仕上がりの高さで変わります。成長がゆっくりな木なので、早く目隠しにしたい場合は、苗の大きさも含めて相談してみてください。

相談2:業者に剪定してもらったら、上の方しか葉が残らず枝だけになった

生垣の剪定を頼んだところ、上の方を残して下は枝ばかりになるほど強く切られた、という相談です。

『このまま元に戻らなかったら…』と不安になりますよね。針葉樹の多くは、葉のない古い枝からは芽が出にくいと一般に言われています。

ただ、イチイは刈り込みに強い木でもあるので、すぐに判断せず、しばらく芽の様子を見てみてください。気になる時は、剪定をした業者や別の業者に、木の状態を見てもらうと安心です。

次に頼む時に伝えておくこと

「葉のない部分までは切らないでほしい」「この高さと幅で整えてほしい」と、仕上がりを具体的に伝えておくと、思っていた形と違う、という食い違いを防ぎやすくなります。

相談3:飼っている犬が、生垣のイチイの実を食べてしまう

愛犬が生垣のイチイの実を気に入って食べてしまうが大丈夫か、という相談です。

イチイの種子や葉には毒があります。ペットが口にしないよう、実の時期は落ちた実を片づけ、生垣の足元で遊ばせる時は見守ってあげてください。

口にしてしまって様子が気になる時は、自己判断せず、早めに動物病院に相談しましょう。

植える前のチェックと、手に負えない時の頼り先

先に結論

イチイの生垣は、植える位置と最初の水やりで、その後の育ち方が変わります。長い生垣や高くなった生垣の刈り込みは、無理をせず相談するのも手です。

植える前に確かめること
  • 仕上げたい高さを、手の届く範囲で決めたか
  • 境界から少し内側に植えられるか
  • 生垣の両側に、刈るために立てる場所があるか
  • 子どもやペットが実に触れやすい場所ではないか
  • 苗の大きさと間隔を、購入先や施工業者に確かめたか

和風の庭に合うほかの木は和風の生垣|和の庭に合う木と刈り込みの形で紹介しています。

電動バリカン(ヘッジトリマー)を使う時は、取扱説明書に従い、手袋と保護めがねを使いましょう。高い所は脚立に乗らず、手の届く高さまでにしておくと安心です。

生垣が高くなって手に負えない時や、長い生垣の刈り込みが大変な時は、剪定をまとめて相談できる窓口もあります。

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よくある質問

イチイとオンコは同じ木ですか?

同じ木です。北海道や東北ではオンコ、アララギとも呼ばれ、生垣によく使われています。

イチイの実は食べられますか?

中の種子や葉には毒があるので、口に入れないようにしましょう。子どもやペットがいる家では、実の時期に気を配っておくと安心です。

イチイの生垣は日陰でも育ちますか?

イチイは日陰にも比較的耐える木です。北側の境界など、日当たりがあまりよくない場所でも候補になります。

イチイの生垣を強く切り戻しても大丈夫ですか?

刈り込みに強い木ですが、針葉樹の多くは葉のない古い枝まで深く切ると芽が出にくいと言われます。毎年少しずつ整える方が安心です。

背の低いイチイの生垣にしたい時は?

背の低い変種のキャラボクがあります。腰より低い生垣や花壇の縁取りにしたい時の候補になります。

まとめ

この記事の要点
  • イチイは寒さに強く、成長がゆっくりで刈り込みに強い常緑針葉樹
  • 北海道や東北ではオンコ、アララギとも呼ばれ、生垣に多い
  • 秋の赤い実の種子や葉には毒があるので、子どもやペットに気を配る
  • 葉のない古い枝まで深く切らず、毎年少しずつ整える
  • 寒い地域ならイチイ、暖かい海沿いならイヌマキ、と地域で考える
生垣ドットコム

生垣ドットコム 編集部

生垣(いけがき)の意味・役割から、目的別の木の選び方、トキワマンサク・マサキ・イヌマキなど樹種ごとの特徴、剪定の時期とやり方、植え方・費用・助成金の考え方までを、庭や道路沿いで迷わないように整理している情報サイトです。 公式サイト

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