常緑の生垣|一年中緑を保つ木の選び方と落ち葉の見通し

常緑の生垣に向く木の選び方と落ち葉の見通しを解説する記事のアイキャッチ

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『冬になって葉が落ちて、外から丸見えになるのは困る』と思って、常緑の生垣を探している方も多いですよね。

ただ、常緑なら落ち葉はゼロ、というわけでもないんです。

結論から言うと、常緑の生垣は「冬も葉を保つかどうか」と「場所に合うかどうか」の2つで選ぶと失敗しにくくなります。この記事を読むと、目的別の常緑の木と、落ち葉の手間の見通しが分かります。

目次

常緑の生垣とは?一年中緑を保つ仕切り

先に結論

常緑の生垣は、冬も葉を落とさない常緑樹で作る生垣です。一年を通して目隠しや仕切りの役目を保てるのが一番の良さです。

生垣は、樹木を列に植えて刈り込みなどで仕立てた垣根のことです。生垣の基本は生垣とは?読み方・塀との違いと庭や道路沿いでの役割で紹介しています。

落葉樹の生垣は、紅葉や花を楽しめる反面、冬は枝だけになります。例えばドウダンツツジは秋の紅葉が鮮やかですが、冬は葉が落ちるので冬の目隠しにはなりません。

『冬も外から見えにくくしたい』という方には、常緑の生垣が向いています。

常緑の生垣が向く場面・向かない場面

場面常緑の生垣ひとこと
道路や隣家からの目隠し向く冬も視線をさえぎれる
冬の日差しを庭に入れたい向かない場合も冬も葉が日をさえぎる
季節の変化を楽しみたい木による花や赤い新芽の常緑樹もある
落ち葉をまとめて掃除したくない向く葉がいっせいに落ちることは少ない

常緑でも葉は入れ替わる?落ち葉の見通し

常緑樹も古い葉は少しずつ落ちる

常緑樹は葉が一度に全部落ちないだけで、古い葉は少しずつ新しい葉と入れ替わります。落ち葉の掃除がゼロになるわけではないので、そこは先に知っておきましょう。

『常緑にしたのに、足元に葉が落ちている』と驚く方は少なくありません。実は、それは木が弱っているのではなく、葉の入れ替わりであることも多いんです。

さらに、名前に常緑とついていても、寒い地域では冬に葉を落とす「半常緑」の木もあります。落ち葉の出方で分けると、次の3つになります。

葉の残り方落ち葉の出方木の例掃除の見通し
常緑古い葉が少しずつ入れ替わるトキワマンサク、イヌマキ、イヌツゲ、ツゲ、マサキ、シラカシ少しずつ出るので、ふだんの掃除でまかなえることが多い
半常緑(寒いと葉を落とす)暖かい地域では常緑、寒い地域では冬に葉を落とすことがあるアベリア、プリペット、シルバープリペット、キンシバイ寒い地域では冬に落ち葉がまとまって出ることも
落葉秋から冬に葉がまとめて落ちるドウダンツツジ、ブルーベリー、レンギョウ、ムクゲ落葉期にまとまった掃除が要る
生垣の木を常緑・半常緑・落葉の3つに分け、冬の葉の残り方と落ち葉の出方の違いを示した図解

葉がまとまって落ちる時は様子を見る

常緑樹でも、病気や虫で葉がまとまって落ちることがあります。例えばベニカナメモチは、葉に赤〜黒っぽい斑点が出て落葉することがあり、ごま色斑点病として知られています。

『いつもより落ち葉が多い』と感じたら、葉に斑点や食べ跡がないか見てみてください。風通しをよくして、落ちた葉を片付けるのが基本です。

落ち葉の掃除を楽にする工夫

『常緑でも落ち葉が出るなら、掃除が心配』という方もいますよね。少しの工夫で、掃除の手間はかなり変わります。

落ち葉の掃除を楽にするコツ
  • 葉が小さめの常緑樹を選び、落ちた葉を目立ちにくくする
  • 生垣の足元に砂利などを敷き、掃き集めやすくする
  • 道路側に落ちる葉は、刈り込みのついでにまとめて掃く
  • 刈り込んだ枝や葉は、その日のうちに片付ける

例えばトキワマンサクやイヌツゲ、ツゲは葉が小さめなので、落ちた葉も目立ちにくい木です。道路沿いの生垣なら、こうした木を選ぶと掃除の負担を感じにくくなります。

寒い地域の常緑樹は「半常緑」に注意

常緑ヤマボウシやシマトネリコも、寒い地域では葉を落とすことがあります。冬の目隠しを一番に考えるなら、お住まいの地域で冬も葉を保つかどうかを、植える前に購入先に確かめておきましょう。

目的別に選ぶ常緑の生垣の木

「何のための生垣か」から木を絞る

常緑の木はたくさんあるので、目的から絞るのが近道です。目隠し・低い仕切り・日陰・潮風・寒さのうち、自分の場所で一番大事な条件を決めてみてください。

『常緑の木が多すぎて選べない』という声はよく聞きます。次の早見表で、目的に合う木から見ていきましょう。

目的・条件向く常緑の木知っておきたいこと
高めの目隠しシラカシ、サンゴジュ、レイランディー成長が早めなので、高さを決めて毎年刈る
低い仕切りツゲ、ハクチョウゲ、オタフクナンテンハクチョウゲは寒さにやや弱い
日陰アオキ、カクレミノ、ネズミモチ、イチイアオキは枝を付け根から間引く剪定が向く
潮風・海の近くトベラ、ウバメガシ、マサキ、イヌマキウバメガシは成長がゆっくりめで形を保ちやすい
寒い地域イチイ、ヒサカキイチイの実の中の種子や葉には毒がある
道路沿い・排気ガスシャリンバイ、マサキ、ネズミモチ、モチノキシャリンバイは乾燥にも強い
花も楽しみたいトキワマンサク、サザンカ、キンモクセイ花木は花芽を残す時期に切る
冬も葉を保ち、小さめの葉が密に茂った常緑の生垣を近くから写した写真

目隠しを優先するなら、高さを決めてから選ぶ

目隠しが目的なら、シラカシやレイランディーのように上に伸びる木が候補です。どちらも成長が早めなので、放っておくと大きくなります。

『早く隠れてほしい』という気持ちと、毎年の刈り込みの手間は表と裏なんです。目隠しの高さの決め方は目隠しの生垣|高さ・密度で選ぶ木とつくり方で詳しく紹介しています。

低くまとめたいなら、葉の小さい低木

腰ほどの高さで仕切りたいなら、ツゲやハクチョウゲのように葉が小さく刈り込みに強い木が向きます。オタフクナンテンは背が低くまとまり、秋冬に葉が赤く色づきます。

背の低い常緑の生垣は低木の生垣|常緑で育てやすい木の選び方でまとめています。

花や香りも楽しみたいなら、花の咲く常緑樹

常緑の生垣でも、季節の花を楽しめる木はあります。トキワマンサクは春(4〜5月が目安)に細いひも状の花が咲き、サザンカは秋〜冬(10〜12月が目安)に花を咲かせます。

キンモクセイは秋(9〜10月が目安)に香りの強いオレンジ色の花が咲きます。花木は花芽ができる前に切るのが基本なので、剪定の時期だけは気をつけておきましょう。

防火や潮風を意識するなら、葉の厚い常緑樹

サンゴジュは葉や枝に水分が多く、燃えにくい木として防火の生垣に使われてきました。大きく厚い光沢の葉で、目隠しにも向きます。

海に近い場所なら、海岸に自生するトベラや、乾燥・潮風に強いウバメガシが候補です。「潮風でほかの木がうまく育たなかった」という場所でも、こうした木なら育ちやすいことがありますよ。

和の雰囲気なら針葉樹も常緑

イヌマキやイチイ、コニファーなどの針葉樹も、冬に葉を保つ常緑の木です。針葉樹の多くは、葉のない古い枝まで深く切ると芽が出にくいので、伸びた先を軽く整えるのが基本です。

針葉樹の選び方は針葉樹の生垣|マキ類・コニファーの特徴と選び方で紹介しています。

常緑の生垣で気をつけたい手入れ

冬も葉があるぶん、剪定の時期を外さない

常緑の生垣は一年中葉があるので、伸びた枝がそのまま目立ちます。木ごとの剪定の時期を知っておくと、形を保ちやすくなります。

『常緑の木はいつ切ってもいいの?』と迷いますよね。木によって切りどきが違うので、代表的な木の目安を並べてみました。

木剪定の目安ひとこと
トキワマンサク花後(5〜6月が目安)に形を整え、秋に軽く年に1〜2回の刈り込みが目安
イヌマキ初夏(5〜6月)と秋(9〜10月)が目安刈り込みに強い
イヌツゲ初夏(6月頃)と秋ハマキムシがいないかも見る
サザンカ花後〜早春(3月頃まで)夏に花芽ができるので夏以降は強く切らない
キンモクセイ花後〜早春が目安夏以降に強く刈ると花が減る

月はあくまで目安で、地域や年によって前後します。

常緑の生垣を長くきれいに保つコツ
  • 上を狭く下を広くした台形に刈り込む
  • 仕上がりの高さを手の届く範囲で決めておく
  • 葉の裏に虫や卵がないか、刈り込みのついでに見る
  • 落ち葉が増えたら、斑点や食べ跡がないか見る
  • 道路や隣地に枝が張り出していないか見る

上を狭く下を広くした台形にすると、下の葉まで日が当たりやすいと一般に説明されています。下の方がスカスカになりにくいので、一年中緑を保つ生垣には大事な形なんです。

チャドクガには触れない

サザンカにはチャドクガ(毛虫)が春と夏の終わりごろに発生しやすいです。毒のある細かい毛に触れると肌がかぶれることがあるので、見つけたら触れずに枝ごと切って処分しましょう。

冬にできる手入れや寒さ対策は冬の生垣|寒さ対策と冬にできる手入れで紹介しています。生垣が高くなって手に負えない、長い生垣の刈り込みが大変な時は、剪定をまとめて相談できる窓口もあります。

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常緑の生垣でよくある相談

「低くて西日に強い木」「常緑ヤマボウシの目隠し」の相談が多い

よく見かけるのは、道路沿いに低い常緑の生垣を作りたい、腰ほどの高さで剪定が楽な木はどれか、常緑ヤマボウシで目隠しできるか、という相談です。

相談1:道路沿いで西日にも強い、低い常緑の生垣にしたい

『ブロック沿いの道路側に、低い常緑の生垣を作りたい』という相談はよく見かけます。日当たりがよく乾きやすい道路沿いなら、潮風・乾燥・排気ガスに強いシャリンバイが候補になります。

ヒメシャリンバイは葉が細く小さめで、コンパクトにまとまる型として流通しています。道路の植え込みにも多い木なので、低い仕切りに向いています。

相談2:腰ほどの高さで、剪定が楽な常緑の木は?

低い常緑の生垣で刈り込みを楽にしたいなら、成長がゆっくりなツゲが向きます。葉が小さく、きめ細かい面に刈り込めます。

明るい花も楽しみたいなら、初夏に白〜淡い紫の小花が咲くハクチョウゲも候補です。ただ、寒さにやや弱いので、寒冷地や霜の当たる場所では注意してください。

相談3:常緑ヤマボウシで目隠しはできる?

常緑ヤマボウシは、初夏(6月が目安)に白い花、秋に赤い実を楽しめる常緑樹です。成長はゆっくりめなので、目隠しになるまでには時間がかかります。

また、寒い地域では葉を落とすことがあります。冬の目隠しを優先するなら、刈り込みで密にしやすい常緑樹と組み合わせる考え方もありますよ。

よくある質問

常緑の生垣でも落ち葉はありますか?

あります。常緑樹も古い葉は少しずつ新しい葉と入れ替わります。葉がいっせいに落ちることは少ないので、ふだんの掃除でまかなえることが多いです。

常緑の生垣におすすめの木はどれですか?

目的によって変わります。高めの目隠しならシラカシ、低い仕切りならツゲ、日陰ならアオキやカクレミノ、潮風の当たる場所ならトベラやウバメガシのように、目的と場所から選ぶのがおすすめです。

半常緑の木とはどんな木ですか?

暖かい地域では冬も葉を保ち、寒い地域では冬に葉を落とすことがある木です。アベリアやプリペットがこのタイプなので、冬の目隠しを優先するなら地域に合うか確かめてください。

常緑の生垣を植えるのに向く時期はいつですか?

常緑樹は、春の新芽が動く前後や、秋の気温が穏やかな時期が植え付けに向くと一般に説明されます。植えたあとは根づくまで水やりを続け、竹などの支柱で列を連結して支えておきましょう。

生垣で常緑の木を選ぶ時、ほかに何を見ればいいですか?

日当たり、潮風や排気ガス、寒さなど植える場所の条件と、成長の速さを見ておきましょう。目的別の選び方は生垣におすすめの木の記事もあわせて参考にしてみてください。

まとめ

この記事の要点
  • 常緑の生垣は冬も葉を保ち、一年中目隠しや仕切りの役目を果たす
  • 常緑樹も古い葉は少しずつ入れ替わるので、落ち葉はゼロではない
  • 寒い地域では冬に葉を落とす半常緑の木もあるので、地域に合うか確かめる
  • 目隠し・低い仕切り・日陰・潮風・寒さの目的から木を絞る
  • 剪定の時期は木ごとに違うので、目安を知って形を保つ
生垣ドットコム

生垣ドットコム 編集部

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